古いアルバムから今は見られない貴重な風景写真を選んで並べてみました 
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   戸隠から県道36号線を鬼無里に向かい、大望峠を下ると途中タバコ畑の向こうにポツンと一軒、戸隠山を背にした小さな萱葺きの廃屋。  
 昔、偶然通りかかたとき見た風景はそのまま昔話の世界。 ―お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に―
 ここを通った人は誰もが後になって「あれは何処だったのか」と記憶の片隅に残っているでしょう。
 今、あの廃屋は解体され昔話のような風景は、二度と見ることは適いません。
 
 ここはその後四季折々に訪れ、1990年から6年かけてビデオカメラで収録しました。 Youtube
 1991年1月、冬晴れの雪景色を撮ったひと月後体調が思わしくなかった父が入院し半月後に他界。元気なうちにもっと話せば良かった、一緒に飲めば良かったとしみじみ後悔。 今はその父の歳を越えました。
 あの頃ビデオを回しながらフィルムカメラで撮ったネガが残っていたので亡き父を思いながらスキャン、劣化していた画像をソフトウェアで復元させた4枚です。

 

 *画像をクリックすると別ページで大きな画像が見られます
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 タバコの収穫が始まります    ビデオと同じ位置から
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 戸隠山の雪はほとんど消えました   晩秋 この季節が一番似合います
 
 いつだったか、近くの人から大工さんがあの家を再現するという話を聞きましたが、何年ぶりかで通りかかったら数十メートル下に小さな萱葺きの小屋が建っていました。

 デジカメで写真を撮った後でこの日も居合わせた近くのおじさんとしばし長話。

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2020/08/14   2020/08/14
 
 上の4枚は古い劣化したネガフィルムから起こした画像ですが、ネガが退色するとは知りませんでした。スキャナーの設定を色々変えても解決せず Photoshop で修正した結果なんとか見られるようになりました。
 ネガフィルムに記録された情報はアナログですから無段階。ということは、情報量は膨大で引き出せばいくらでも出てくる理屈で、実際、色もコントラストもソフトウェアでどうにでもなります。
 銀鉛写真の表現力が深いと感じるのは個人的に父の件を重ねるからかも知れませんが、それこそがアナログの底力でしょう。
 下の2枚は Canon EOS20D で撮ったものですが、手軽に失敗なくきれいに撮れて便利だけど何かが違うんです。
 違う見方をするとデジカメの致命的な欠陥のひとつは中間値の欠落だと思います。人によってはそれを本能的にに認識するのではないでしょうか。レコードとCDの関係と同じです。
 退色したネガフィルムからデジタル技術で写真を蘇らせるという矛盾に満ちた作業をしていて何かつかめたような感触がありました。
  写真4をスキャンした元データ
 
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