古いアルバムから今は見られない貴重な風景写真を選んで並べてみました 
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   車で県境を過ぎ新潟県津南町から国道405号線で峠を越え、広大な東頚城丘陵の山あいを気ままに走っていたときのことです。  
 いきなり視界が開けて目の前に現れたその風景に思わず車を停めて見入ってしまいました。生まれ育った北信濃とは異質の、ゆったりした地形が織り成す空間。
 梅雨の合い間の湿り気のある空気に包まれたなだらかな斜面の、緩く重なる田圃、「絵のような」という表現はこういう風景。迷わず持参していたEOSを取り出し撮影ポイントを決め、シャッターを切りました。
 以後、ここは折につけ訪れましたが、6年後に見た棚田はススキに覆われ変わり果てた姿。

 この風景は安直なデジタルカメラじゃなくフィルムカメラ、それとも古い3管カメラで映像を撮ろうか。否、理想はディレクターチェアに掛けて画用紙に水彩画でたっぷり時間をかけて描くべきだろうなどとと考えていたのにとうとう機会を失ってし

 まいました。人と自然が協調して作りあげた、かけがえのない美しい風景だったのに。
 
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2014/06/03 14:13   2014/07/02 11:29
 田植え直後です。この時点では見える範囲の田はすべて使われていました。   田植えから一ヶ月後、梅雨の中休み 陽射しはもう真夏。
 
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2014/09/09 13:29    
後日出てきた写真です。稲刈りは来月でしょうか。    
     
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2014/11/24 14:34   2015/06/24 14:28
冬場に水を張る天水田(てんすいでん) 峠は雪になりそうな空模様なのに微かに妙高連峰が見えるという不思議。   豪雪地帯なのを警戒して田植え前の季節は逃してしまいました。
 
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2015/07/20 13:36   2015/09/28 12:48
夏本番、再び訪れた田圃は緑の草原。その上を雲の影が流れています。   稲刈り間近 右手の田はこの時点ですでに放棄されていました。
 
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所用で新潟に行った帰りに遠回りして訪れましたが、道路からは枯れススキに遮られ、何処だったのかわからなくなっ
て通り過ぎるところでした。車を降り、ススキをかき分けて見た風景にしばし茫然、「...」。 見たくありませんでした。
数年後ここは雑木が芽を出し、遠からず先祖が開墾する前の山の姿に戻っていくのでしょう。ここから上の田はすでに
そうなりつつあります。この写真だけEOS20Dを持って行かなかったのでコンデジで撮りました。
2019/10/28 15:23   2020/12/12
このときは稲刈りかが済んだのでススキが生えたのだろうと深く考えませんでしたが、    
 
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  あれから1年。
再び訪れたあの場所は 、様々な意味で寒々とした風景でした。7年前に初めて通り掛って目を奪われた時の、あの明
るいイメージとは真逆の情景。
 
いつかここの雪景色を見たいという願いはこんな結末で叶いましたが、これから本格的に雪が積もれば訪れるのはもう
不可能です。
複雑な心境ですが、あらゆる状況を考えるとこの日がラストチャンス。長編のストーリーは、完結です。
FinePix S2Pro
2021/12/05 15:53    
     
 
 2014年6月、私がこの棚田の風景に巡りあったのは時系列で絶妙なタイミングでした。最初に通りかかって惹かれたのはこの空間が自らの運命を予感して私を呼び寄せたのだと確信。私の側も無意識ここに自分を重ねていたのです。
 写真は過去も今後もアマチュアで通しますが、保存した膨大なデータからこの写真を探し出し並べる過程で自分なりの写真術が鮮明に見えてきました。
 
 ここの写真は完結したはずですが、この一帯を久しぶりに訪れてみました。コロナ禍ですが誰もいないので何の問題もありません。
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  昔なら今頃は田植えの準備の真っ最中です。
畦の緑はコゴミでしょうか。
一番手前の田は無数の雑木が生え8年前の姿が嘘のように荒れていました。
放棄された田はこうして元の山の姿に還っていくのでしょう。
ここに立って眺めていたら先人たちが開拓に入り、木を切り、水路を作り水を
引いて何年も掛けて田んぼを作ったた姿が見えるような気がしました。
10年後ここはどうなっているか、考えるのはやめておきましょう。
Canon EOS20D
2022/05/10 16:17    
     
 
 
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