Premierによる編集からDVD作成までの成功例/失敗例 Top Guide  
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    自宅で8ミリフィルムをテレシネによりデジタル化する試みは様々なサイトで紹介されています。    
    スクリーンの再撮影という原始的な方法からレンズを使った空中像撮影、小型CCDカメラによる直接撮影などがありますが、当工房では原始的なスクリー    
    ン撮影を試してみました。将来的には高度な技術も考えていますが今回は第一弾です。あまりにも原始的で普通は論外ですが、予想に反して良好な結果    
    でしたので皆さんの参考になればと思い、公開します。現在進行中で加筆、訂正を頻繁にやりますので順序が変な部分があるかも知れません。    
    注意:このページに関する人物画像の所有権は atelier yumejizo にあります。目的の如何を問わず一切の転用を禁じます。    
    また、これを書いた当時の思い違いや理解不足もあるようですがいづれ改訂版を書くつもりですのでそのつもりでお読みください。    
         
    テレシネ挑戦/1 必要に迫られてなにはともあれ簡易テレシネをやってみました    
    テレシネ挑戦/2 カメラを換えたらどうなるか試してみました    
    テレシネ挑戦/3 原点に戻って本気モード    
    フィルム映像とビデオ映像の根本的違い    
    テレシネ挑戦/4 顔を洗って出直し    
    テレシネ挑戦/5 空中像撮影方式に挑む    
    テレシネ挑戦/6 HDカメラでスクリーンプロセス    
         
    テレシネ挑戦/1    
    今回デジタル化したのは、私が昔自主制作した長編8ミリ映画で、24コマ磁気トーキー作品の一部です。    
    テレシネで最もやっかいなのがフィルムとビデオのコマ数の違いです。 当たり前にスクリーンをビデオカメラで撮ったのではフリッカーが出て見るに耐えな    
    い映像になってしまいます。    
    詳しい事は様々なサイトで紹介されていますので省略しますが、映写機にはチラツキ軽減のためにシャッター羽根があり、8ミリですと3枚羽根でひとコマを    
    3回に分けて24コマなら見かけ上72コマで映写しています。ですから、20コマに落とすと20*3で毎秒60コマとなり、ビデオの毎秒30フレーム(60フィールド)    
    でも辻褄が合うというわけです。    
    本気モードでテレシネに挑戦している人たちは映写機のシャッターを改造して5枚羽根にしてフリッカーを無くしますが、本来はこれが正解で24コマでのテレ    
    シネが可能です。24*5=120でビデオの「フィールド」に一致します。    
    では、今回テレシネを試した素材について簡単に説明します。    
    これを作ったのは1975年、昭和50年で、メインカメラはELMO C300、フィルムはコダクロームダブルランスーパー、磁気トーキー作品です。    
    実はこのカメラ、速度が正確ではなく、24コマで撮影したのですが実際は少し遅めで、22コマ程度と思われます。これが結果的に今回テレシネに成功した    
    要因となりました。20コマ映写でも音は間延びしますが動きは不自然に感じません。    
         
   

映写機はELMO GS1200。
この映写機は速度の調整ができますが調整範囲が狭く、24コマ側の最低では速すぎ、
18コマの最高では遅すぎて20コマになりません。Webで調べたところ調整範囲は±1.5コマ
ですから16.5.〜19.5コマまでです
これをなんとかしようと裏カバーを外して探り出したのが右の写真の基板についている、
丸印の半固定抵抗を、現位置にマーキングしてからほんの僅か右に回したら18コマ側の
速 度が気持ち速くなりました。
フィルムを掛けてスクリーンをビデオカメラで撮影、モニターで見ながら速度を上げていくと
見事にフリッカーが消えました。成功!

 

    この映写機は友人からの(半永久)借用品なのでいずれ元に戻します
   
   
 


カメラはIkegami ITC-735

カメラは残像の出る3管カメラを使いました
もちろん民生用カメラでもOKですが、色の再現性を考えると3CCDの高級機をおすすめします
8mmフィルムの実力を甘くみないでください
フィルムの映像はビデオのような軽いものではなく、上位フォーマットなんです

 


スクリーンはプリンタ用B5ハイグレード紙

以前はテレシネはケント紙が普通でしたが最近はプリンター用紙が一般的だそうです
業務用カメラの場合ケント紙だと表面の凸凹が
見えてしまいます
今回は手持ちのスーパーハイグレード紙を使いましたがもっといい物を探してみましょう
紙にこだわらないほうがいいかも知れません

映写機 カメラ スクリーンの位置関係        
   
   
   

カメラのVIDEO OUTから映像を取り出ます、
MONITOR OUTをビデオモニターで確認

  音声は映写機のAUXから取り出します
このフィルムはモノラルなのでL(1)のみ
  DVRexの入力
音声はケーブルでL/Rに分配
   
         
    以下、テレシネ変換した動画から抜き出したオリジナル画像です。    
   
 

Premiereでフレームを書き出す設定
PC用に正方形ピクセルにすると720*540サイズで縦横比が正しくなります
640*480で書き出しても構いません
本当はAfterEffectsで書き出すと16bpcが可能なので諧調が遥かに豊かになります
見た目には違いがわからないので今回はこれでokとします

     
   
   

書き出したままのオリジナル 解像度は320*240に縮小してあります
 
1 賑やかな都市   様々な要因でヒストグラムが偏っています
   
   
PhotoShopの「自動レベル調整」でテレシネ過程の属性が排除され、フィルム本来の調子に近くなりました
 
1b    ヒストグラムが広がりました
   
   
 
2 街角 以下、レベル調整後の画像です   3 赤いサンダル
   
   
 
4 昔の長野電鉄河東線   5 田圃の中の駅
   
   
 
6 度の若者   7 若者は少女の幻想
   
   
 
8 真夏の陽炎の中をやってくる古い電車   9 幻想の若者は電車とともに消えた
   
   
 
10 度立ちを夢見る少女 視線の先にグライダー   11 インサートカット 少女が旅先で遭遇した夏祭り
   
   
 
12 少女が行き着いた海   13 インサートカット
   
   
 
14 映画監督を目指す若者   15 1975年の私 B&Hを構えていますがこれは小道具
   
   
   
16 佐々木昭一郎氏の「夢の島少女」にもこんなシーンがありました    
   
    17    
   

参考のため、書き出したオリジナルのサイズをお見せします 720*540ピクセル 一切加工してありません

   
    いかがですか。元がたった5.46*4.01mm(映写機のアパーチャ)のコマとは思えないでしょう。私自身あまりにも綺麗なんでびっくりしました。これを見て痛感    
    したのはフィルム映像の底力と作り物ではない映像の潔さ。特に8ミリはリバーサルフイルムですから発色が鮮やかですがこれはレンズとフィルムの特性    
    によるもので、り電子回路で色を作り出し、輪郭を強調したものではありません。    
         
    フィルムについて    
   

 1〜13はELMO C300、14〜17はCanon DS8で撮った映像です。フィルムはどちらもコダクローム ダブルランスーパー。

   
    C300で撮った映像はいかにもELMOらしい味が出ています。悪く言えばレンズの出来が良くないんですがなんともいえない柔らかい画調です。    
    DS8は正反対で、鮮明で硬い映像です。このカメラは報道用16ミリのスク-ピックをベースに8ミリに仕立てたカメラなので「味」はありません。    
   

ヒストグラムを見ると8ミリフィルムの凄さがひと目でわかります。サンプル1はヒストグラムの山が左に集まっていますが原因は元のフィルムが明るい被写

   
    体を自動露出撮影したのでアンダーになっただけで、サンプル17のような被写体では良好な分布に見えます。    
   
 

画像17のヒストグラム
元のフィルム撮影条件が適切で、被写体も偶然真っ黒から真っ白まで存在します
テレシネカメラの設定も偶然バッチリ

カラーカメラのアイリス設定も適正なので輝度が広く分布しています
しかし、赤丸の部分に注目
うまいこと収まっていますが 都合が良すぎます
この件は仕上げ その1をご覧ください

ヒストグラム例 A    
   
    余談ですがサクラカラーの8ミリフィルムは問題外です。色が着いているだけのレベルで、今回改めて見るとすっかり退色していました。    
    この作品はスーパー8フィルムで撮りましたので富士フイルムのシングル8は使っていませんが富士は日本人好みの味付けで、特に富士のカメラで撮ると    
   

青味の強い、ビデオで云えばホワイトバランスが寒色系に振れた感じの映像でしたが、これはタングステンランプで映写した時補正される味付けなのかも

   
    知れません。コダクロームとは対照的です。    
         
         
    簡易テレシネの問題点    
     今回はとりあえずテレシネを試した程度で、YouTube用動画を試作するという目的は果たしましたが問題点もいろいろ出てきました。    
    テレシネ作業の詳細と出てきた問題についてひとつづつ対策を考えましょう。    
         
    ○フィルムの状態    
     ここまでフィルムはいい事づくめみたいに言って隠していましたが、決定的な弱点もあります。特に上映を繰り返した古いフィルムは傷、ゴミ、パーフォレ    
    ーションの破損、接合部の不具合がつきもの。上のサンプルは傷みの少ないコマを選んであるので綺麗ですが動画ですと傷だらけです。多少の傷は    
    フイルムクリーナーで拭けば目立たなくなりますが手元にあるフイルムクリーナーはたぶん劣化しているので使いたくありません。映画フィルム用ではあり    
    ませんが今でも「フイルムクリーナー」は売られているようなので機会をみて使ってみたいものです。今回は映写機にかけたフィルムを綺麗な綿手袋で軽く    
    挟んで巻き戻しながらホコリ取りして済ませましたがもっとうまい手を考えなければ。例えば映写機のフィルム入り口に刷毛を固定して映写中常時フィル    
    ムをクリーニングしたらどうでしょう。    
   
  今回、映写中にフィルムが切れるという事故が発生しました。
幸い昔使っていたテープスプライサーに使いかけのスプライシングテープが残っていたので繋ぐことが出来まし
たが冷や汗ものです。30年位前のテープですが使えたのは驚き。
シングル8は材質が非常に丈夫ですがスーパー8は簡単に切れてしまうので扱いは慎重を要します。
パーフォレーションを傷めたら万事休すです。
 
   
         
    ○映写機    
    清掃 テレシネ開始前に、フィルムだけではなく映写機も入念に清掃しないとアパーチャーにホコリがひっかっかる事があります。そうなると作業を中断、掃    
    除してやり直しです。    
    ピント 映写機には困った問題があります。GS1200に関して定速製はモーターが電子ガバナー制御らしく、安定しているのですが、映写中、ピントが微妙に    
    変わてしまいます。ひょっとしてフィルム両サイドの磁気帯の厚みが一定ではなくてレンズとの相対位置が変化するのかも知れません。フィルムの磁気体    
    はプレッシャープレート側(レンズ側)ではなく奥側ですから無理もありません。    
   

ピント変化の問題を考えると長尺フィルムをテレシネ変換するなら数分単位に分割キャプチャしてその都度ピントを合わせた方がいいでしょう。

   
   
  左の写真はプレッシャープレートを開いたところですが、矢印のとこ  
ろに茶色く磁性帯のカスが付着していました。磁性帯はフィルムの
奥側に塗布されていますので厚みの変化はピントの移動となります
清掃前に写真を撮れば良かったんですがこれは清掃後の写真。
 
右は速度調節部です。18コマでツマミを最高速側に上げています。
内部の基板をいじってあるのでこの位置でフリッカーが完全に消滅
します。ELMOのこの当時の映写機はESSと呼ぶ映写機とオープンリ
ールテレコを完全同期させるシステムが別売りで用意されていまし
た。実際これを使った事があります。実家を探せば出てくるかも。
 
矢印の部分に磁性帯のカスが付着       速度調節部
   
    映写速度 映写機は20コマ程度で映写出来るように調整しましたがフリッカーが出ないので20コマ近くだろう程度です。    
    今回のフィルムはカメラが正確に24コマではなかったため、20コマでも動きは違和感がありませんでしたが、実際はトーキー作品なのでこれでは音が間延    
    びしてしまいますが、この対策は簡単でPremierで速度を上げれば見た目には何の問題も無く解決します。理屈では24/20=120%で正規の速度になります。    
         
    ○テレシネカメラ    
     手元に放送用、業務用カメラがいろいろある中で古いサチコン3管のIkegami ITC-735を使用。    
    撮像管はCCDと違い、諧調表現が豊かで特性上ダイナミックレンジが広いのでフィルムの情報量を引き出すのに有利と考えたからで、これは正解だと思い    
    ます。古いとはいえそこは業務用カメラ、色が自然な上豊かで解像度も問題無く、フィルムの粒子まで再現出来ました。    
     セッティングは ABB(オートブラックバランス)セット、DTL:Hi、HLC:WIDE フィルター:3200°K GAIN:0dB DTL:HI    
    ホワイトバランスは初め空映写してスクリーンで取りましたが結果が良くなかったのでフィルムを映写して白い被写体が多いカットで取りました。    
     アイリスはもちろんマニュアルでモニターを見ながら様々なカットの結果を見ながら調整します。単純に現在の画面だけでセットするとカットが変わると思    
    わぬ結果になります。スクリーンとモニターを比べると調子がよくわかります。基本的に明るいカットで白飛びにならないように、暗いカットで黒潰れしないよ    
    うにセット。今回は低感度のカメラなのでF4程度でしたが、フィルムの調子で大幅に変わりますからこの点でも適当な長さで区切って作業を進めるべきで    
    す。DTLはNORMです。    
    最終的にAfterEffectsなどでヒストグラムを調整するときに余裕のある設定が望ましく、可能なら1カット毎に進めたら理想的です。思い切ってシークエンス    
    単位でフィルムを切ってリール分けしてしまう手もあります。スプライシングテープがあれば最後にまたフィルムを繋いで元に戻すことができます。    
     3管カメラを使ったのはもうひとつ理由があって、映写機が正確に20コマでビデオの60フィールド30フレームに同期するならシャッターが開いている間にビ    
    デオの1フレームが収まれば都合がよろしいんですが、今回のファジーなシステムでは絶対辻褄が合わないはずです。そこを残像の出る撮像管カメラで    
    時間軸で曖昧にして誤魔化しちゃおうという考えですが、あくまで簡易ですからこれ以上厳密に考えるのはやめときましょう。    
         
    ○映写機とカメラの位置関係    
     カメラと映写機の高さはいくらでも合わせられますが水平方向は距離が離れた分映像がゆがんでしまいますのでフードとVFを外して極力近付けました。    
    これで見た目にはわかりません。ただし、ビデオカメラ側のピントは「被写界深度は奥に深く手前に浅い」ので今回のセッティングの場合、スクリーン中央か    
    らやや右で合わせると全面合いました。映写機とスクリーンの距離は約1.2mで別に根拠はありませんがカメラの感度を考えるとこの位が妥当でしょう。スク    
    リーンはありあわせのインクジェットプリンター用紙(スーパーハイグレード紙)でキメが極めて細かい物です。B5しか無かったのでこれでよしとしましたが    
    A4なら映写サイズとカメラの関係が楽になります。    
    カメラの下に角材を置いたり本を入れたりして大変でしたが本格的にテレシネをするなら映写機とカメラを載せるベースを作ってスクリーンもアームを付け    
    て一体化したら便利でしょう。    
         
    ○部屋の環境    
     テレシネをするなら夜に限ります。これはフィルムの黒をビデオで可能な限り黒にするための絶対条件です。暗室があればそれも結構。テレシネは暗黒    
    でなくても構わないという説もありますが私は信じません。    
   

 気をつけなければいけないのが床の軋みで、テレシネ中に機材の近くを歩いたら映像が揺れた事があります。なるべく壁際にセットすると軽減します。専

   
    用ベースを作って全部一体化すれば全体が相対的に一緒に動きますから気を使わなくて済むでしょうね。    
         
    ○音声対策    
     トーキー作品の場合、音声は当然映写機のラインアウトから取り出します。映写機のスピーカーにマイクを近付けてなんて論外です。GS1200の場合は    
    AUX OUTがL/R独立装備ですが作品はLのみのモノラルですのでモノ/ステレオ変換コードを急拠自作して取り込みました。映像と違い、サウンド系はイン    
    ピーダンスさえ合わせればモノラルを2チャンネルに分配しても問題なしです。    
     音声はせっかくデジタル化するのですから、場合によっては後処理で入れ直す事も可能です。8ミリの磁気トーキーはわずか0.6mm幅の磁気帯に記録さ    
    れているので音質は推して知るべし、フィルム接合部では音飛びも発生します。また、昔はBGMに市販のレコードを勝手に使った(TV局もそうです)もので    
    用途によっては著作権をクリアしたものと差し替える必要も出てきます。    
         
    ○仕上げ その1    
     キャプチャに関しては省略して、PCでの仕上げ作業の問題点を挙げてみます。    
   

最初に考えなければならないのがデジタルビデオシステムのフォーマット。いうまでもなくデジタルビデオの世界ではRGBの輝度範囲がそれぞれ16〜235

   
   

ですが、これでは足りないのは明白で、実際の被写体は暗黒から失明するほどの明るい直射日光、もしくは核兵器の閃光まで存在します。実際、光学カメ

   
    ラでは光が許容量を越えてフイルムが燃える事もあり得ます。電気的映像システムでは許容範囲を限定してその中に無理に押し込めているわけで太陽を    
    直接撮ってもRGBは最大255で打ち止め。255の上限の根拠が問題で、たぶん、実用上差し支えない明るさなんでしょうが、おかげで太陽を撮った映像を    
    テレビで見て失明!なんていう事態はありません。    
     ところがフィルムの場合、肉眼には及ばないもののダイナミックレンジはビデオより遥かに広いのです。記憶が正しければ肉眼のダイナミックレンジは2万    
    写真は200、ビデオは20程度。ビデオなんて、肉眼同等は無理としても写真(フイルム)に遠く及びません。フイルムを忠実にビデオに変換するのは最初か    
    ら無理なんです。ビット数を上げたらいいと思う人がいるかも知れませんが所詮諧調が細かくなるだけでダイナミックレンジの問題は解決しません。    
     というわけで、テレシネ結果のヒストグラム例Aを見ると暗部から明部までまんべんなく分布していますが、都合が良すぎませんか。実はこれ、単にテレ    
    シネに使ったカラーカメラの特性を見ているに過ぎないんです。いかにダイナミックレンジの広い撮像管でもフィルムには遠く及ばず、輝度オーバーした部    
    分をニー特性で大幅に圧縮して無理やりビデオの範囲に押し込んでいます。輝度分布の右側がきれいなカーブで落ち込んでいるのがそれです。    
     フィルムではこんな事はあり得ません。フイルムのヒストグラムを調べる方法があるかどうか知りませんが、見ることができたらたぶん輝度分布の上限は    
    もっと遥か右まであってしかもフイルムが燃える限界まで行ってからスパっと落ちていることでしょう。    
     あまり深く考えるとテレシネはおろか、写真をPCモニターで見る行為自体意味を失ってしまいます。妥協して先に進みましょう。    
         
     静止画は想定を超える画質でしたが本題は動画です。ここでまたまた課題ができてしまいました。PhotoShopでは「自動レベル調整」で静止画を仕上げる    
    ことができましたがこれはあくまでも静止画サンプルで、静止画ならこんなに綺麗ですっていう意味しかありません。また、オリジナルフィルムからヒストグ    
    ラムが広く分布しているカットを選んだ結果でもあります。テレシネ後の「動画」では「自動レベル調整」をクリック、というわけにはいきません。    
    簡易テレシネの結果出来た動画は「スクリーンを撮影したビデオ」に過ぎなくて、納得のいく「作品」に仕上げなければ完成しないというのが私の持論です。    
    遠い道のりですが課題をひとつづつ解決していきましょう。    
         
     1 最終的なメディア    
     動画を見せるのはPCモニターなのかテレビモニターなのか。これで入り口が違います。つまり、輝度範囲を0/255にするか16/235にするかです。    
    一般的には16/235で作ればテレビでは正常ですがPCではコントラストの弱い映像に、PC用に作ればテレビではコントラストが強すぎる規格外の映像にな    
    ってしまいます。最良の策は両方作るのが正解でしょう。その上で目的によって使い分ければいいんです。フリーソフトのAVIUtlはこの点便利で、TV-PC    
    PC-TVスケール補正機能があって一気に変換できます。AfterEffectsより簡単で、これは万能ソフトで今後おおいに活用したいですね。    
   
 
AVIUtlの拡張色補正フィルタ   ヒストグラムに限らず結果がその場で表示されるので大変便利
   
    AVIUtlは映像本来の情報を引き出す機能が揃っています。奇をてらったエフェクトではなく、フィルムが秘めているものを素直に引き出してあげましょう。    
         
     2 編集    
     テレシネ映像をプレビューすると見なくてもいいものが見えてきます。8ミリは基本的にオリジナルのフィルムを物理的に切ったり繋いだりして編集するの    
    で作業過程でどうしても傷もつきますし接合も玩具のような精度の低いスプライサーを使いますからフィルム接合部の不具合は付き物で、これがテレシネ    
    された映像ではなぜか映写画面より格段に目立つのです。    
   
   

8ミリフィルムはフイルムセメントという接着剤
又はスプライシングテープというセロテープみた
いなテープで接合しますが、この作品は磁気ト
ーキーで音飛びの少ないテープを採用

Aでは赤いボールの左下、Bでは画面上部にテ
ープとフィルムの間に気泡があります
貼り付け不良ではなく後に気泡が入ったものと
思われますが、プレビューではっきり見えます

下のCは接合自体は綺麗ですが前後カットが
だぶっています
この場合は動画ではほとんど普通のカット替わ
りに見えます

フィルム接合b部 A   フィルム接合部 B    
   
         
   
   
フィルム接合部 C  

前カットの尻

  後カットの頭
   
    とにかくフィルムのつなぎ目が問題です。    
    これを解決するのはノンリニア編集の得意とするところで、音声に不具合が出なければ単純に切り詰める事が出来ます。音が飛んでしまう場合は前(後)    
    のコマをペーストして埋めるる手があります。画だけ見ると同じコマが2回続くのであれっと思いますが音が連続していればわかりゃしません。潔癖な人    
    はPhotoShopも駆使すればいくらでも高度な処理が可能です。    
    もうひとつ大問題が前にも書きましたがフィルムの傷とホコリ/汚れ。保管状態が悪かったので頻繁に画面に出てしまいます。ホコリはフィルムを清掃すれ    
    ば済みますが無数に入った傷はどうしようもありません。これはフィルムの味だと思ってあきらめるしかないでしょう。ご存知でしょうがPremierのエフェクトに    
    「フィルムノイズ」ってのがあって、わざとビデオ映像にフィルムの傷っぽいノイズを付ける事があるくらいですからね。    
    ノンリニア編集をする時はありがたさを痛感します。映像をどんなに切り刻んでも構わないんですから。8ミリは大変でした。それが楽しかったんですが。    
    肝心な事を言い忘れました。シネカメラは回転シャッターですが、開角度180°として24コマ撮影ならシャッター速度は1/24*180/360=1/48秒と意外にスロ    
    ーです。従って動きのある動画の一コマは必ずブレています。これは動画を滑らかに見せるには必要な要素で、一コマ一コマが高速シャッターで撮った写    
    真みたいだと逆に動きがつながらなくて不自然になってしまいます。    
    とここまで書いてから気が付きました。サンプルのフィルム接合部 c 以外でも簡易テレシネでキャプチャした映像をPremierで確認すると数コマ毎に前後    
    のコマが重なっているんです。これは映写機とカメラが同期していないためで、シャッターという概念の無い撮像管カメラではさらに当然の結果です。    
    動画で見る限り全く気になりませんがこれが簡易テレシネの限界ってもんでしょう。訂正 コマのダブりはカメラにも原因があるようです。    
    Return    
         
    テレシネ挑戦/2    
    日を改めてカメラを古い放送用に変更して同じ作品をデジタイズしてみました。カメラはIkegami HL-79E、贅沢なテレシネです。    
    今回スクリーンは昔ながらのケント紙を使ってみました。結果的に表面がイマイチで映像に影響してしまいました。安物でもプリンター用紙の方が良好。    
    その他の条件はおおむね同じです。映写機のレンズは入念に清掃しましたが内部にかすかな曇りがあるのが気になります。一部で言われているとおり、    
    8ミリ映写機のレンズはそれなりで、この点からもフィルムをダイレクトに撮るフレームバイフレームが圧倒的に有利です。    
    映写中スクリーン上のピントが微妙に変わる件は今回も発生しました。これは映写機のプレッシャープレートが原因と考えていましたが、それだけではなく    
    振動でレンズが光軸方向に動くのではないかと思います。その後確認したところ、レンズのズーム機構に遊びがあったので最望遠側にしてアルミテープで    
    固定し、ピント合わせのツマミも固定したらピントズレはほとんど気になりませんでした。    
         
    では、結果をご覧ください。今回もPremierで静止画を書き出してPhotoShopでレベル補正をかけました。    
    映写機とスクリーンの距離:80cm カメラとスクリーンの距離:90cm カメラF値:5.6 f40mm WB:フィルター3200k    
   
 
     
   
   
 
     
   
   
   
     
   
   
 
     
   
   
 
     
   
       
    Premierから書き出したままの静止画    
   

静止画は結構きれいですが、残像が強い上残像部に妙な色が付いて良好とはいえませんでした。ITC-735でテレシネしたほうが綺麗という結論です。これ

   
    は79Eが駄目というよりサチコンの735が簡易テレシネには向いているということでしょうか。    
    なお、液晶モニターはこういう画像は全く苦手で、階調表現と中間色の発色、立体感は絶望的。これを液晶画面で判断されるとまことに不本意です。    
    カメラの設定は重要で、ホワイトバランスは白の面積が大きいシーンで何度も取って決めましたがなかなか納得できる結果にはなりません。フィルムなしで    
    空写しのスクリーンで取れば良さそうですがあくまでもフィルムを透過した光でないとうまくいきませんでした。    
    アイリスは全編を通してビデオモニターと睨めっこして決めました。結果的にF5.6というのは被写界深度を考えると正解だと思います。    
         
    注:アナログ映像素材をキャプチャすると画面左側又は左右に黒いエリアが出来ます。これはビデオの帰線部までキャプチャしてしまうためと自分なりに理解していま    
    すが、静止画ではこれをトリミングしないでレベル補正するととんでもない結果になります。動画の場合はこれがやっかいで、「クロップ」で交わすのが普通ですが引き    
    伸ばされるので画質は落ちます。以前作ったDVDでは苦肉の策として、クロップではなく、周囲に黒(16,16,16Blk)の額縁をかぶせました。これなら画質低下は防ぐこ    
    が出来るしビデオモニターでは写らない範囲なので気になりません。    
    Return    
         
    テレシネ挑戦/3    
    工房のメインカメラITC-870でもテレシネを試してみましたが、このカメラは実写には最高ですが、黒が締まらないという欠点があるそうで、確かにテレシネ    
    ではそれが顕著に現われてしまって使えませんでした。ということで、簡易テレシネは業務用サチコン3管カメラITC-735を使うことにして改めてセッティング    
    を見直しました。最初のテストで画質は予想以上の結果でしたが課題もいくつか出ました。以下、その解決策です。    
         
    課題1 スクリーンの材質    
    当面手元にあったプリンター用ハイグレード紙を使用することにしました。サイズはB5でokです。ただし、薄い紙で裏が透けるので2枚重ねしました。    
    ケント紙は一見滑らかに見えますが業務用カメラでは表面のざらつきが見えてしまいました。(フィルムの粒状性まで再現されるくらいですから)    
    プリンター用紙はいろいろ試したいところですがバラ売りがあればそれができるのですが何十枚入りを何セットも買うのは現実的ではありません。    
         
    課題2 映写機のピントズレ    
   

8ミリ映写機は精度がイマイチで映写中にピントズレが必ず発生します。テレシネ中にピントがズレるとNG!  初めからやり直しになるのでやっかいです。

   
    これはアパーチャとプレッシャープレートにも問題がありますが最大の原因は映写レンズ取り付け部のガタにあるようです。ランプの熱とフィルム間欠送り    
    による振動でレンズが微妙に光軸方向に動くらしいのです。レンズとホルダーはかなり遊びが認められます。アルミテープでレンズを固定してみましたが根    
    本的解決とならず冶具を作ってタイラップで固定した上アルミテープでとめました。    
   
   
配置全体 シネライトがミソ   スクリーン側から カメラ台は急遽製作   映写レンズ 実際はさらにアルミテープで固定
   
         
    課題3 フィルムの汚れと破損    
     8ミリはリバーサルのオリジナルフィルムを編集機で見ながらスプライサーで切ったり繋いだりして編集したものですから、傷みがつきものです。又、完成    
    後上映を繰り返した作品の場合は映写機による傷も汚れも増えます。傷はどうにもなりませんが汚れはできるだけ綺麗にしたいところです。    
    先日カメラのキタムラをのぞいたら「フイルムクリーナー」があったのでこれをめがね拭きに浸み込ませて試してみたのですが、確かに汚れは落ちますが    
    主成分がアルコールなので磁性体も若干溶かしてしまうようでやめました。それからはめがね拭きで空拭きに留めています。それでもめがね拭きには磁性    
    体が付着するところをみると過ぎたるはなんとかで、糸くず状のゴミだけ取れればokということで妥協しようと思いましたがテレシネ結果を何度も見直すとや    
    はり気になります。ゴミのあるコマをPhotoshopに書き出して修正し、戻す事はAVIUtlでいくらでも出来るんですが。    
   
 
こんな得体の知れないゴミがありますが   AVIUtlでクリップボードに書き出してPhotoshopで修正、戻す事は可能
   
    AVIUtlで「現在のフレームをクリップボードにコピー」すると720*480サイズでフレームが書き出されます。これをPhotoshopで開いて、例えば「修復ブラシツ    
    ール」で修正してコピー、AVIUtlの「現在のフレームにクリップボードから貼り付け」で戻す作業自体は簡単ですが、全部これをやるとなると膨大な手間を要    
    しますのでどこで妥協するか、むずかしいところです。フィルムのクリーニングと合わせて解決するかそれともフィルム映像の「味」で逃げるか。    
   
   
使用後のめがね拭き   堀内カラー製フィルムクリーナー   Kodak製フィルムクリーナー
   
    実家からKodakのフィルムクリーナーが出てきましたが30年位前に弟が買ってきてくれた物で、多分変質していると思いますが今度試しにNGフィルムに使    
    ってみます。多少のキズはこれで目立たなくなるという触れ込みだったはずです。    
     後日、再度フィルムクリーニングに挑戦しました。まずKodakのクリーナー。フィルムを映写機にセット、供給リールから巻き取りリールに直接巻いて正転    
    で回しながらめがね拭きに染み込ませた液でクリーニング。やはり磁性体は若干落ちますが見なかった事にしました。他に害は無さそうでしたがとにかく臭    
    くてたまりません。冬なのに窓を全開です。がまんして正転と巻き戻しを繰り返してひたすらクリーニング。でもこれでは臭くて我慢できないので堀内カラー    
    製に変更。こちらは匂いは気になりません。同じ作業を繰り返した後、編集機で確認。前よりは良くなった感じですがまだ大きなゴミが頻繁に現われます。    
    中には気色悪い小さな虫の死骸らしき物も。フィルムクリーナーって、効かないのかなと試しにルーペで見ながらクリーナーを染み込ませた綿棒でこすると    
    気持ちいい程きれいに落ちました。めがね拭きを指でつまんでフィルムを通過させる程度では大きなゴミは落ちないのです。しかし、全編綿棒で拭き取るな    
    んて不可能、何ヶ月もかかってしまいます。要は綿棒の代りに何か適当な物を見つけて編集機の供給リールと光学系の間に取り付けてそいつにクリーナ    
    ー液を染み込ませてフィルムを通過させればいいんじゃないかと考えました。この手なら編集機で映像を確認しながら落ちていないゴミはフィルムを戻して    
    シコシコすればなんとかなるんじゃないか。思い立ったら即行動開始。ホームセンターをあっちこっち回って最後の店で見つけたのがバフがけに使う厚手    
    のフェルト。これをフィルムクリーニングに使うため、得意の工作でステーを製作。    
   
       
やっと見つけたフェルト        
   
    この件は結果的に効果が不十分な上フェルトの毛が脱落してフィルムに付着するため断念。小型ライトボックスを作ってこれで見ながら綿棒で落とすこと    
    にしました。    
         
    課題4 ホワイトバランス    
    普通に考えると空映写のスクリーンで取れば良さそうですが、ビデオモニターで確認すると色温度が高めで青みが強く出てしまいます。どうしてなのか理由    
    はわかりません。フィルムを映写しながら白い被写体の多いシーンでとると満足できる結果が出ることがありますがフィルムが変わると違う結果になってし    
    まいます。    
    私としてはハロゲンランプで映写した感じに近づけたいのでいろいろ試した結果、カメラのアクセサリシューにシネライトをセット、アイリスをオートにしてスク    
    リーンを照明して取った場合が80点でした。これならロール分けした作品でも同一条件でテレシネ可能です。我ながらgood !    
   
   
カメラのDTL:Hi   HLC:WIDE   ズーム:40mm アイリス:f5.6付近
   
    セッティングは前回と同じですが、カメラはDTLをHIにして輪郭を締めました。NORMも試しましたが素人目には甘く見えます。HIが正解だと思います。    
    では結果をご覧ください。    
   
   
         
   
   
   
         
   
   
   
         
   
   
   
         
   
   
   
         
   
   
 

毎度のことですが、web用にサイズを720*540
から200*150に縮小、レベルを補正し、甘くなった分をシャープネスで戻しています。

   
         
   
    簡易テレシネでここまで出来るとは思いませんでした。色の出方も文句なしで、コダクロームの味がそのまま出ています。この長編映画は全部テレシネを    
    完了したのでPremierで再編集してリメイク版を作るという大仕事が始まりました。大変だぞこりゃ。いやいや、その前にフィルムのゴミ掃除からやり直しだ!    
         
    ●テレシネの過程で変な事を思いつきました。    
    こうして見ると書き出した静止画がなかなかの出来なので、これ自体を写真として保存したら面白いんじゃないでしょうか。8ミリは毎秒18又は24コマの写真    
    の集合体ですから、コマによっては優れた写真、面白い写真があります。これを使わない手はないじゃないですか。ブレたコマなんて特に面白そう。    
    続く    
    Return    
         
   

フィルム映像とビデオ映像の根本的違い

   
    今回簡易テレシネを試してみましたが、根本的な問題に気が付きました。    
    映写機がフィルムを映写する仕組みは非常に巧妙で、ちらつき軽減のため回転シャッターにより一コマを3回投射(8ミリ)します。これは逆に一コマで3回    
    投射していない暗黒があるということ。この暗黒も含めて再現するテレシネシステムはあるのでしょうか。スクリーンで見る本来の映画は半分が見えていな    
    いんです。現状のテレシネはTVも含めてこの事を忘れて映像の連続として変換しています。    
    PCレベルでこれを実現するとしたら、提案があるのですが、根本的に考え方を変えてフィルムのコマを静止画で書き出し、FLASHを使って動画を構築した    
    ら何とかなるんじゃないでしょうか。一コマづつフィルムを直接キャプチャする方法(フレームバイフレーム)は現状でベストな結果が得られるとのこと。    
    確かに優れているとは思えない映写機のレンズを使わず、直接3CCDの産業用、又はHDカメラで変換すればスクリーンに投射するより遥かにフィルムの情    
    報量を引き出せると思います。これについてはWebを探すと個人で挑戦しているサイトがhitしますしこれでテレシネ変換している業者もあるようです。    
         
    キャプチャした静止画をFLASHのタイムラインに並べる事を考えてみましょう。めんどくさいので16ミリの2枚シャッターで考えます。フレームレートは96fpsと    
    なります。    
   
コマ 1
暗黒
コマ 1
暗黒
コマ 2
暗黒
コマ 2
暗黒
コマ 3
暗黒
   
   
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
1/96秒
   
         
    8ミリは3枚シャッターなのでややこしくなります。あくまでも本格的トーキー作品の24コマで考えます。1/24*6=144fpsです。    
   
コマ 1
暗黒
コマ 1
暗黒
コマ 1
暗黒
コマ 2
暗黒
コマ 2
暗黒
   
   
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
1/144秒
   
    心配になってFLASHを確認したらフレームレートは最大で120fpsでした。これは不可能。18コマ作品なら108fpsで可能です。    
         
    これでFLASHムービーを作ったら映画のビデオ化ではなく「映画」そのものを本来の姿のままデジタル化できるはずです。    
    理論的にはこんな事も出来ると思いますが、通常の「ビデオ」とは概念が違うので現実的には大変な作業になります。私にはとても出来ませんがどなたか    
    挑戦しませんか。    
    これについて、簡単な実験をしてみましたが結果は悲惨でした。FLASHでフレームレートを96fpsにしてひとコマおきに黒画面を配置、その下のレイヤーに静止画を置    
    いて再生してみましたが、ちらついて見るに耐えません。この案は根本的に間違っているようです。'10.2/20    
         
    ついでに関連した提案があります。    
    フレームバイフレーム方式のテレシネ専用機って作れそうじゃないですか。要はフィルムを機械的に正確にコマ送りする機械を作れば済む事で、大して難    
    しくないと思います。光源も自由に選べます。極端な話、学研の映写機を高度に進化させた機械という発想でもいけるんじゃないでしょうか。    
    映写機という発想を捨ててしまえばいいんで、フィルムを間欠送りするという考えも白紙にしてゼロから考えればなんとかなりませんかね。    
         
    テレシネ挑戦/4    
    いろいろやってきましたがまだ納得できない事項があるので今までのことは無かったことにして出直しです。    
    最大の問題はフィルムのゴミ。これはフィルム映写では気にならないのにテレシネ結果では実に目立ちます。これは簡易システムのため、フィルムとビデ    
    オが同期していないのと残像のある撮像管カメラを使っているためで、ゴミのあるコマがビデオ側で2コマ連続する事があるのが原因のようです。    
    サンプルを書き出してみました。    
   
 
フレーム 1 ゴミはありません   フレーム 2 ゴミがあります
   
   
 
フレーム 3 このコマにも同じゴミが出ています   フレーム 4 ゴミが消えました
   
    映写速度とビデオの30fpsの関係でどうしてもこうなります。映写画面だと目立たないゴミが2フレーム続いたのではビデオではハッキリ見えてしまいます。    
    ゴミの数が少なければAVIUtlでフレームを書き出してPhotoshopで修正、戻せばいいのですがとてもやりきれません。根本対策は物理的に取るのが基本。    
    いかに能率よくフィルムを綺麗にするか、いろいろやってみましたが編集機でゴミを見つけて丁寧に綿棒とフィルムクリーニング液で落とすことにしました。    
    ひたすら根気のいる大変な作業ですが、あの手この手を考えているより結果的にこれが最も確実です。なお、テレシネ業者さんの中にはフィルムを純水で    
    超音波洗浄しているところがありますが大正解だと思います。    
   
   
机の上で坦々とつぶしていきます   こんな得体の知れないゴミが無数に   私には関係無いそうです
   
    いい加減いやになりました。落としても落としてもゴミが出てきます。フィルムクリーニング液は使い果たして、破れかぶれで消毒用エタノールに切り替えま    
    した。今回のフィルムはトータル2000フィート位あって、それを400フィートリールに分割して8割方終わりましたがさすがに根気が続かなくて本日はこれで終    
    了ということでこのレポートを書いています。明日も一日クリーニングです。    
         
    数日後、フィルムクリーニングは完了しました。再度確認すればまだ残っているに違いありませんがもう沢山です。    
    完璧とは言えませんが不快な大きいゴミはほぼ無くなりました。ゴミは何種類かあって、繊維状のゴミはフィルムに乗っているだけなのでブロワーで吹くだ    
    けで飛んでしまいます。大きくて黒い粘着質のゴミはスプライシングテープの糊ではないかと思われ、アルコールで溶けます。その他半透明の細かい断片    
    状のゴミもありましたがこれはやっかいで、ルーペで見ようとすると見失ってしまいます。仕方ないのでこの辺だろうと見当をつけて綿棒でゴシゴシ。黒くて    
    小さなゴミの中にはなんとしても取れない物がありましたが、金属粉がフィルムに食い込んでいるのか現像過程の問題か不明です。    
         
    実家の屋根裏を探索したらまたまたこの作品のカットフィルムが出てきました。使えそうな分をつないでクリーニング。飽きたのでかなりいい加減。    
   

 こうしてフィルムを編集するのは30年ぶりです。
 老眼が進んで若い頃のようには指先が動きません。
 このスプライサーは使い込んだ代物、さすがにテープカッタ
 ーの切れ味が落ちて切れたはずが切れてなかったり。
 なお、スーパー8は基本的にフィルムセメントでつなぎますが
 磁気帯を塗布したフィルムは音飛びが発生するのでスプラ
 イシングテープを使います。
 実際はテープを使っても音飛びは発生します。
 16ミリフィルムの編集も経験していますが、フィルムを削って
 フィルムセメントを塗って圧着する作業はいかにも映画を編
 集しているという感覚がありました。
 あれと比べたらPremiereなんて、ゲームの世界。

   
   
         
    ではそろそろ簡易テレシネ本番といきますか。    
   
   
今回、スクリーンはこの用紙   ダイソーの板を立てて貼り付けました   こんな金具を両面テープで固定
   
    スクリーンはホームセンターにあったオーム電機のMT(両面マット つや消しタイプ 超厚口)が良さそうなのでこれに決めました。壁に貼って映写してもいい    
    んですが、部屋のレイアウトの関係でこの方がすべて手元で操作出来る上ビデオモニターとの位置関係が格段に良くなりました。    
   
 
ロール分けした長編自主映画   今回のレイアウト
   
    とにかく長編なので一気にテレシネというわけにはいきません。ありったけのリールを動員して6巻に分けました。    
   
    思いつきでレンズをFUJINONに交換。
資材庫をかきまわすと何でも出てきます。
今までの業務用CANONより切れがいいのではないかと勝手に考えました。
このレンズはリモート操作用なのですがアイリスズーム、フォーカス共強制的に手動で操作します。
テレシネに使うには問題ありません。
切れは感覚的には良好、映像は予想通りシャープです。
レンズはFUJINONに交換   ケーブルは接続出来ません    
   
         
    いよいよ本番。映写機は毎度のELMO GS1200 カメラはIKegami ITC-735Aです。    
    カメラは万全を期して2時間位ヒートランしました。セッティングはおおむね前回と同じですが自身の覚え書きということで記録しておきます。    
     映写機とスクリーンの距離:約800mm(映写レンズ前面から)    
     映写レンズの設定:ズーム最小サイズ    
     映写ランプの設定:LOW側    
     カメラとスクリーンの距離:約900mm マクロを使わない最短撮影距離です。    
     カメラ設定    
      ズーム:スクリーンの映写画面との関係で決定 見切れないぎりぎりサイズにした方が鮮明になる勘定です。35mmと70mmの間位です。    
      アイリス:F4〜5.6 カットにより変更を要しますがあまり神経質に考えると先に進みません。    
      ホワイトバランス:試しにプリセットの3200Kでやってみたらこれが正解でした。 何でも試してみるものです。    
      DTL:Hi 敢えて輪郭を強調しました。テレシネでは輪郭をカッチリさせておいてAVIUtlでフィルターをかけてフィルムノイズを処理します。    
   
   
フォーカス,ズーム,アイリス設定   CHはプリセット3200K   DTL HI
   
   
 

DTLはHI/NORMどちらにするかは難しいところ。
迷ったあげくにHIにしました。
HLCもWIDE/NORM両方をモニターで確認しての
結果です。
理想的にはカット毎にモニターを見て決めればいいんでしょうが現実はそこまでは不可能。

DTL:HIはアナログビデオに録画する場合、輪郭が甘くなるので補正する機能

HLC:逆光などで空などの明るい部分の階調をどのレベルから押さえ込むかを決める機能

   
HLC NORM        
   
    ではサンプル画像で結果をご覧ください。AVIUtlで耳をクロップ、拡張色調補正でTV→PCスケール補正、320*240で書き出し シャープネス無し    
   
 
ELMO C300+コダクローム25   ELMO C300+コダクローム25
   
   
 
ELMO C300+コダクローム25   ELMO C300+コダクローム25
   
   
 
ELMO C300+コダクローム25   Canon DS8+コダクローム25
   
   
ソフトフィルター使用
ELMO C300+コダクローム25   ELMO C300+コダクローム25
   
   
 

いかがですか。 簡易テレシネの実力。
今は無きコダクローム25ダブルスーパーの超低感度超微粒子の味が見事に再現されています。
このフィルムはデイライトタイプで太陽光では色温度変換フィルタが不要なので素直な映像でした。

8ミリの映写画面は光源がハロゲンランプなので電球色に近い発色ですがテレシネではキセノンランプの映写機で映写した感じになります。
これがコダクローム本来の色なのかも。

それにしても思うのは8ミリの底力。
このフィルムを最新の技術でクリーニングしてキズも消してテレシネしたらどんな結果になるのか、おそらく想像を超えた映像でしょう。
しかし、それはビデオでは理論的に表現不可能な領域なんです。

ELMO C300+コダクローム25    
   
         
    一連の作業を一段落させて、今回のフィルムで様々な収穫があります。今風に言えばソフトとハード両面で得る物多々、最大の収穫は、「若い頃の自分を    
    上から目線で見ることの危険性」です。純粋だった頃の自分からは学び取ることばかりで、甘く見るものではありません。分厚いシナリオを書き、スタッフ、    
    キャストとなったメンバーを引きずり込んでロケに明け暮れた夏の日々。綿密に計算したカメラワーク。測量用三脚に自作のヘッドを載せ、撮影はすべてマ    
   

ニュアル絞り、アフレコによるリップシンクロなど技術的にもよくもまあこれだけの事をしたものだと感心するばかり、脱帽です。

   
    テレシネを終えた映像をモニターで見ながら、その中に飛び込んでいって「おーい、君たち、おじさんも仲間に入れてくれエ!」    
    この感覚、わかりますか。でも、35年前の若者は「おっさんは引っ込んでろ」って言うでしょうね。無限の可能性を信じていたあの若者から今の自分に言い    
    たいことは山のようにあるでしょうが、その逆はひと言もありません。    
    この件の続きはこちらにタッチしました。    
         
    テレシネ挑戦/5 空中像撮影方式に挑む 2017年1月    
    弟が置いていった引き伸ばし機が物置にあったのを思い出して彼に確認したら「もう要らないから捨てて」。    
    金属屑で処分しようと分解したら大きなコンデンサーレンズが出てきました。    
    これは空中像撮影方式のテレシネに使えるかも! いつかこれをやってみたかったんです。HDカメラも導入したことだし、いい機会です。    
    さっそくバラックで映写機とレンズとカメラを並べていろいろ試したところいけそうなので準備を始めました。    
    この方式のポイントはいかに映写機/レンズ/カメラの距離と光軸を正確に合わせるか、それといつでも作業が再現できる体制作りです。    
    では、今回の仕事について解説しましょう。    
         
    事前にバラックで位置関係は把握していたのでホームセンターで穴あきアングル購入。30*1500を2本、30*300を2本。    
   



普通は木材を使うのが一般的だと思いますが私は金属加工が得意なので鋼材を
使いました。
今回、ベースは棚に使う穴あきアングルを使いましたがこれは便利です。
角型鋼管は昔カーポートを作ったときの余りがあったので高速カッターで切って艶
消し黒を塗装しました。
右の写真でレンズ台が斜めになっているのは仮組みなので。

 
    レンズの台は有り合わせの角型鋼管 50*100 t2.3
   
    映写機はテレシネ作業の度に位置を合わせなくて済むように突き当ての位置決めステーを取り付けました。    
    映写機の水平方向の光軸は映写機の中心線と並行ではないことに今回気がつきました。よって位置決めステーの位置はこんな状態になります。    
    ランプは何ワットがいいかわかりませんでしたがとりあえず24V12W。24Vにしたのは基の映写ランプが24vでそのまま使えるからです。    
    LEDという手もありますが電源回路を作るのが面倒なのとタングステン電球の方が波長分布が素直だと判断したからです。    
   
 
映写機の位置決めステー   24v200wハロゲン球に換えて自作したランプユニット
   
    ランプはちょうどいいソケットが見つからなかったので銅線を直に半田付け。熱で半田が溶けるのではと心配しましたが映写機の冷却ファンが強力なので    
    全く問題ありません。ランプの位置合わせもこれならどうにでもなります。余談ですがGS-1200は16ミリ並の200W球なんです!    
    遮光板は光を均一にするために必要です。身の回りを探したらCDレンズクリーナーのケースが出てきてこれがGood。    
   
 
t=2 アルミ板を加工 アルミテープで固定 ランプは直に半田付け   遮光板はCDレンズクリーナーのケースから切り出し
   
    映写機は友人からの借り物なので一切加工はしない方針で、ランプはいつでも元に戻せます。    
   
 
ランプは自動車用   ランプはこんな具合に収まります
   
    コンデンサーレンズは本来凸レンズが向かい合わせに2枚構成ですが今回は1枚で間に合わせました。平面側を映写機に向けます。    
   
 
これが引き伸ばし機のコンデンサーレンズ Φ120   レンズ台はアングルの長穴で位置合わせ可能
   
    カメラ台は得意の溶接で作りました。その上にアルミ板のベースプレートをボルトを介して載せて高さを調整できるようにしました。    
   
 
カメラ台はアングルと帯鋼を溶接 M6ボルトで高さ調整   位置関係と光軸を合わせます
   
    機材の位置関係は、映写機端面とレンズ間が約60mm、カメラのフード先端まで約750mmです。カメラのフォーカスはこれで最短撮影距離付近となります。    
       
   
 

機材の位置決めが終わればフィルムの準備です。
今回HDテレシネでデジタル化するのは、すでにYouTubeで公開している「新宿1975,冬」です。
YouTubeは以前は長さ10分以内という制約があって、一部カットした部分がある
のと他の作品に使うためにフィルム自体を切り出してしまったものを繋ぎ直すこと
にしました。
別々にテレシネ作業をしてPCで編集してもいいのですが、貴重なフィルムなので
一本にまとめてオリジナルを保存したかったしこうすれば一気にテレシネを進める
ことができます。
それと、テレシネって一回で決まるものではなく、条件を変えて何回かやらないと
納得のいく結果は得られないんです。

とうわけで、8ミリ編集機とスプライサーの出番です。
この編集機とスプライサーは昔使っていた物が壊れて例のH/Oで中古で入手して
おいたので助かります。

事前にフィルムを準備    
   
   
  テレシネ開始前の準備は大変です。
フィルムと映写機の清掃はもちろん、一番の作業が映写機とカメラの双方で追い
込んでのフレーミングとフォーカス合わせ。
I linkでPCのPremiereProのキャプチャ機能でPCモニターに映像を出して確認し
て決めます。
ホワイトバランスは仮に空映写の画面で設定してみました。

生出しの映像をPCでキャプチャしてもいいんですが今回はあえてテープに録画。
納得できるまで何回も繰り返しました。
空映写画面 光が一様になるようにランプ位置を調整    
   
   
 
カメラのフォーカスはレンズの平面側に三角定規を当てて   モニターを見て合わせます
   
    HDテレシネの結果です。HVR-Z5Jの静止画記録機能でテープから書き出しました。オリジナルの1440*810ピクセルを見やすくするため縮小しました。    
    ミラーを使わない空中像撮影は左右反転画像となりますのでPhotoShopで反転、PC用にレベル補正(0-255→16-235)Premier Pro2.0にも同じ機能 あり。    
    このフィルムの撮影は1975年2月、使用フィルムはKodachrome 25 double super8 DAYLIGHT    
   
 
交通取締りの婦警さん 左右反対です   ヒストグラムが偏っています
   
   
 
左右反転 レベル補正   レベル補正後
   
   

以下調子を見るためにPhotoShopで補正した画像です。

   
   
 
新宿コマ劇場!   高層ビルに感動
   
   
 
ラッキーバード売りのおじさん   若かりし頃の私です
   
   
 
可愛い女の子   淀橋浄水場のモニュメント
   
   
 
新宿の歩行者天国   新宿中央公園で
   
         
    いかがでしょう。オリジナルの画質を知る私としては可もなし不可もなし。でもデイライトで低感度の超微粒子フィルムの実力はおわかりいただけるでしょう。    
    40年以上経過しているにも関わらず全く退色していません。あとはPremiereでホワイトバランスを微調整すれば合格点?    
    実験第一弾としては成功としておきましょう。    
    が、続きがあります。    
    HVR-Z5Jは優れもののカメラですが、テレシネに関して客観的にみるとHDなのに簡易テレシネと比べて圧倒的に画質がいいとは思えません。    
    Premiere Pro2.0でいくらでも補正は効きますが、できれば補正は最小限に留めたほうがいいに決まっています。    
    今回のテレシネの場合、カメラのアイリスはマニュアルで設定しましたがF4が最適値で、ランプの光量が足りない感じです。F8程度にしたいところです。    
    思い立ったら即行動、大雪の中を長野のイエローハットへ直行、探すまでもなく24V25Wってのがありました。    
   
 
25Wは12Wより球が大きくて   高温になりますが問題なし
   
    ランプを交換、位置を調整しましたが熱くて素手では触れません。光量は格段に強力です。    
    このランプで試したのですが、結果はあまリ変わりませんでした。    
    この機会に遮光板は百均のメモ帳の裏表紙で作って入れ替えましたがこれは正解でした。    
   
   
ダイソーのメモ帳    
   
    何か根本的に間違っているのかもと無い頭で考えたりカメラの説明書を確認、そうか、このカメラにはヒストグラム表示機能があるじゃないか!    
    フィルムを映写し、液晶ディスプレイにヒストグラムを表示させてアイリスを調整してみたら暗部から明部まできれいに表現されました。    
    話はさらに続きます。    
    別件で某大型ホームセンターに寄ったついでにカー用品を見たら24V35Wのハイパワーランプを発見。帰宅後すぐに交換しました。    
   
 
24V25Wを   24V35Wに変更
   
   


空中像のテレシネは周囲が明るくてもできると解説していたサイトがありましたが
レンズの凸面に窓が映りこんでしまいます。
暗幕を用意しましたがめんどくさいのと手元が暗くて何かと大変なので後にダイソ
ーのカラーボードでトンネルフードを作っていつでも作業可能にしました。
 
    こんな具合です
   
   

映写機側
 
    カメラ側
   
   
  これで明るい日中でもテレシネ作業ができるようになりました。
カメラの設定も楽にできます。
テレシネ中    
   
    今度の35W球は光学系に使われる点光源タイプで理想的です。これは良さそう。    
    このランプは確かに「明るさ大幅UP」というだけあって、フィルムをかけてカメラ側の画面でヒストグラムが広がるようにアイリスを調整すると目論見通りに    
    F8が最適値となりました。ホワイトバランスは3000Kでこのフィルムの味が見事に再現されました。    
    映像のモニタリングはPC側だと表示にタイムラグがあってやりにくいのでilinkでDVデッキを経由してNTSCモニターに出す方法に変更しました。    
   
 

HVR-Z5Jの液晶ディスプレイにヒストグラムを表示させてアイリスを調整。
F8で輝度分布が最適値となりました。
設定値を全部表示させてあります。

Z97:ズーム設定 00が広角端、99が再望遠
HDV1080i:HDモード
DVout iLINK:外部モニター出力のため(クロップに設定)
マニュアルフォーカス
手ぶれ補正OFF
PP4:ピクチャープロファイル(あえて民生用カメラの色)

F値:マニュアル F8
GAIN:0dB
シャッター速度:1/60
ホワイトバランス:B 3000Kにセット

HVR-Z5Jのディスプレイ    
   
   
  長年酷使してきたモニターです。

ブラウン管の映像は捨てがたい味があります。
Ikegamin15inchモニター    
   
    結果はこんな具合です。簡易テレシネでデジタル化した自主映画「ガラス細工のモビール」の再登板です。    
   

今度の画像は左右反転と解像度変更のみで一切補正無しです
 
A   左の画像の左右黒味を除外したヒストグラム
   
   
 
B   C
   
   
 

1975年に撮影したフィルムです。
ひと夏まるごと使って自主映画制作のために県外まで足を伸ばしてロケ。
20代半ばの夢がいっぱいの頃です。

D    
   
   
 
E   F
   
   
 

ホワイトバランスは空映写の光源で合わせれば良さそうですが実際はそう簡単で
はありません。
フィルム(Kodachrome 25 DAYLIGHT)の個性を引き出すには実際の画面で何度
か合わせる必要があります。
PCモニターでは基準にならない
ので外部に接続したIkegamiのCRTモニターで確
認しました 。
色温度は空映写では2800Kでしたが、フィルムの特性を考慮して試行錯誤の末3000Kに決定しました。つまり暖色系に振るということ。
8ミリフィルムはコダックは暖色系、フジは寒色系なんです。
HVR-Z5JはピクチャープロファイルがPP1〜6まであって、初めフィルムルックを試
したら暗部が黒つぶれしたのでPD COLORのPP4できっちり色を出しました。
普段使うPRO COLORのPP3だと物足りないんじゃないかと勝手な判断です。

G    
   
   
 

H   I
   
   
  実験の結果、HDによる空中像撮影式テレシネがスクリーンプロセスと比べて格段
に画質がオリジナルに近づいたとは思えないという事実、 逆に条件が合えばスクリ
ーンプロセスの画質が意外にいいことを認識しました。

よくいわれる、スクリーンプロセスは映写機とカメラを横に並べるから画面が歪む
件は、理屈は確かにそうですが、可能な限り接近させれば全く気になりません。
ピントはスクリーンとカメラの距離が左右で違うので正確に合わせられないはずで
すが被写界深度の範囲に収まるので問題ありません。
J    
   
    実験の結果、一番むずかしいのがホワイトバランスでした。あちらを立てればこちらが立たずでモニターによっても調子が違うし何度も映写機にかければ
   
    確実に貴重なフィルムを傷めることになり、特にパーフォレーション(サイドの穴)を傷めると致命的です。自分のフィルムでなければテレシネなんてやりた    
    くありません。    
    フォーカス合わせもシビアで、一度決めればOKというわけにいかず、8ミリ映写機はフィルムサイズに対して相対的にメカの精度と安定性に欠けるのでい    
    つの間にかピントが甘くなったりします。エマルジョン面(映像が写っている側)がレンズ側なのでフィルムの削れたカスが溜まると光軸方向の位置とクロー    
    の送りが不安定になります。今回も映像が上下に細かくブレる現象が出て確認したらフィルム通路が汚れていました。フィルムを掛ける前に必ず清掃が不    
    可決です。また、編集の都合で一部磁気帯のあるフィルムをつないであると磁気帯はベース面側のため、そこでもろにピントがズレます。これについては    
    スーパー8フィルムの厚みをマイクロメーターで測定したら磁気帯なしが0.13mm、磁気帯の厚みが0.01mm、ということはエマルジョン面がそれだけ外側に    
   

ズレるということです。それ以前にフィルム自体幅方向のカールもありますから、完全なフォーカス合わせは困難です。フレームバイフレーム方式ならカメ

   
    ラ側の被写界深度の範囲で収めることができるんでしょうが。    
    今回の実験の結果、HDテレシネは大して画質が向上しないという結論です。    
         
    この記事をまとめていて、またアイデアが出てきました。    
    古い3管カメラで空中像テレシネはどんな結果になるか。やってみる価値はありそうです。    
         
    思い立ったら即実行、やってみました。結果は予想以上でしたので記事をまとめたら詳細を報告します。